デザインも学べる!進化する通信制高校

通信制高校では、通常の高等学校と同様で普通の勉強しかできない、と思われている方も多いのではないでしょうか。実は、最近の通信制高校は独自の進化を遂げていて、普通の高校と同じような教科ごとの学習に加え、デザイン、美術、美容などさまざまなことを学べるようになっています。

今回は、そんな多種多様な通信制高校について紹介していきます。

通信制高校ってどんなところ?

まず、通信制高校はどんなところで、どこが普通の高校と異なっているのかについて説明します。通信制高校は、全日制課程の高校と違い、決められた日、時間に学校に通う必要がありません。多くの通信制高校は、自宅、または高校が指定した学習センターと呼ばれる施設で勉強します。

このシステムにより、家庭の事情で日中、学校に通うことができない生徒などでも気軽に学習できます。そして、基本的な学習内容は、国が定めた学習指導要領に基づいたものになっていて、通信制高校を卒業すれば普通の全日制課程の高校を卒業した人と同じ資格、高卒認定をもらうことができます。

この認定は、添削指導、スクーリングと呼ばれる面接指導、そして試験により与えられます。それ以外にも、高等学校卒業程度認定試験の結果や、学校外での学習結果により卒業を認めてくれる場合もありますので、一度調べてみるといいかもしれませんね。

また、通信制高校のほとんどは単位制となっているため、学年が分けられていたり、進級があったりということはありません。もし、一度他の高校を中途退学した場合、その高校で取得した単位も卒業単位に入れてくれるところもあります。

通信制高校だけで、本当に高卒認定を得られるのか不安という声もありますが、インターネットを通じての授業や、週2〜3日ほど登校して行うサポート授業などによりだいたいの通信制高校では、他の全日制課程の高校と同じ、3年間で卒業できます。

そのほかにも、定時制高校や専門学校などと連携しているところでは、通信制高校のカリキュラム以外の授業の単位を得ることができ、それを卒業単位として使うことができます。

通信制高校の基本情報から卒業資格の取得方法を一挙公開!

通信制高校に通うメリット

まず1番のメリットは、いつでもどこでも好きなように学習を進められるという点ではないでしょうか。家庭の事情で日中は働かなければいけない人、人間関係の悩みなどで多くの人がいる通常の高校に通うのが難しい人、スポーツや芸能などのプロを目指していて学校に通う時間が確保できない人、身体的な障害を持つ人、など通信制高校にはさまざまな人が通っています。

また、通信制高校は満15歳以上なら入学が可能で、年齢の上限がないため、大人になってから、もう一度高校の学習内容を学び直したい、という人も気軽に入学できます。時間や場所の指定がないため、自分の時間を自由に使えるというのがポイントです。

そしてもう1つは、普通の全日制課程の高校と同様の学習内容で勉強できる、という点です。学校で勉強する時間の少なさなどから、卒業までに時間がかかる、他の高校よりも単位が少なくなっている、と思われている方が多いのですが、そんなことはありません。

自分で計画的に勉強を進めて、学校で学ぶスクーリングの時間も確保すれば、全日制課程の高校と変わらない単位数を取って、3年間で卒業することが可能です。また、学習指導要領以外の単位を取得できる学校もあります。

通信制高校の学習スタイル

通信制高校はすべての学習が自宅でできる、というわけではありません。主に必要なのは、添削指導と面接指導の2つです。添削指導では、一定の範囲が終了すると試験があり、単位を得ていく、というスタイルを取っている学校が多くなっています。

また、面接指導はスクーリングとも呼ばれ、学校が指定している場所で、教員とともに学習します。この面接指導は、普通の高校の授業に少し近いかもしれません。体育などの実技教科は、この面接指導とレポートによって単位を取得し、試験などはないということが多いです。

また、普通の学校と違って単位を落としたからといって、留年になることはなく、自分のペースで少しずつ単位を取得できるのも利点の1つです。授業や単位の組み方によって、さまざまな形で学習を進めることができます。

また、自宅ではラジオやテレビ、スマートフォンなどさまざまな媒体を通して学習することができます。インターネット上で教員とやりとりして質問ができたり、いつでもどこでも授業の配信が見られたりと多くの利点があるのが特徴です。

また、特別活動といって、ホームルームや学校外での取り組みなども単位に入れている場合があります。対面指導といって少人数で行う活動が多いので、人間関係に悩みがあるといった人でも安心して活動できるのではないでしょうか。

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学習できる科目

一般的な高校で学ぶ科目は、だいたいすべて通信制高校でも学習できます。基本的な国語、数学、理科、社会、英語をはじめ、実技科目の体育、技術家庭科、美術、情報などを学ぶことができます。また、学校によれば専門学校などと提携しているところもあり、そういったところでは、この他にもデザインや芸術、美容といった専門的な内容も学ぶことができます。

1単位時間は、全日制課程の高校と変わらず、50分に定められていて、添削指導や面接指導を組み合わせて必要な単位を取得していきます。また、教科によればレポートを提出したり、単元ごとに試験があったりとそういった面では、他の高校と変わらないような学習を受けることができます。

進化する通信制高校

通信制高校には、サポート校、技能提携校などという形でさまざまな教育施設と提携を結んでいるところがあります。大学や専門学校、定時制高校などが多く、そういった学校の授業を通信制高校の生徒が受講できたり、その学校の教員が通信制高校に来校したり、普通の全日制課程の高校ではできないような体験ができるところも増えています。

商業、工業、情報、福祉、美容、デザインなどその種類もさまざまで、通常の学習内容に加えてそれらを勉強することができます。もちろん、通常の学習と合わせて無理がないように単位を選んで勉強することができます。自分が学びたいことに合わせて通信制高校を選んだり新しい夢を見つけたりできる場所として、通信制高校は日々進化しています。

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